プロダクトオーナーをはじめると自分たちが困ってたことがわかった

Twitter以外で文章を公開するのがものすごく久しぶりですがいってみましょう。

 

プロダクトオーナーになるまで

昨年(2022年)10月にSIerから転職しまして事業会社の一員となりました。

前職ではプレイングマネージャーとして提案から開発、保守、運用まで、管理に採用にと色んなことをやっていましたが、改めてエンジニアとしてやっていこうなんて思ってたわけです。

参加したチームは社歴の浅いメンバーが多く、アジャイルでやってるもののなんだかうまくいかない。ありがたいことにコーチの方にも入っていただいており様々なアドバイスを頂けるのですが、日々目の前の作業はひとつひとつ解決していけるものの、チームとしての進め方、ちょっと先の計画、もっと先の計画、スプリントのイベントひとつひとつがどうにもすっきりせずぎこちない。

敢えてスクラムの形はとっておらず、例えばスクラムマスターもいなかったのですが、

1月からスクラムでやってみよう。それで何がうまくいってないのか見えるかどうか試してみよう。

といった感じで始めることにし、スクラムマスターをやろうと思ったのですが、それまでのPOと交代しようということになりました。

実は今携わっているのはリプレース案件で、今の見た目やユーザー体験をできるだけ維持したまま仕組みだけ置き換える方針なので、バックログアイテムはどうしてもビジネスではなくシステム面の話になります。それまでのPOはビジネス軸の判断では非常に頼りになるのですが非エンジニアのためシステム面でのバックログアイテム作成や優先順位付けが難しいといったことがありました。また他業務との兼務でもありプロジェクトに向き合う時間が少ないのも課題でした。

じゃあユカイがPOでいいんじゃない?という話があがり、そう言ってもらえるならやってみよう!ということではじめました。

スクラムマスターと兼任かな?と思っていたのですが、ありがたいことに会社から役割が違いすぎて兼任するべきじゃないから専任して、という風に言っていただきました。

プロダクトオーナーって何やればいいんだっけ

今までアジャイルスクラムについて本を読んだりイベントで話を聞いてたりしていましたが、関心の中心はスクラムマスターで、プロダクトオーナーは要件決める人かー程度で今思えばほとんど関心を持っておらず、改めて色々な情報を見返すとびっくりするほど頭に入ってませんでした。

「なんせバックログに責任を持つんだ!」

ということで、まずはそれだけやればいいだろうということで

  • プロダクトバックログにアイテムを作る
  • アイテムを優先順に並べる
  • それらに関する決定を行う

この3つだけやることにしました。

 

やってみてわかったこと

これまで「チームで考える」「チームとして決定する」を重視していました。今もそれ自体は変わりませんが「開発チーム」と「スクラムチーム」が一緒くたになっていることがよくわかりました。

バックログアイテムを作るのも並べるのも開発チーム、ビジネス軸で判断が必要なところはPOに相談という形でやっていましたが、自分がPOとしてバックログに集中することで開発チームが目の前の作業に集中できるようになりました。開発チームはスプリントで開発するのが主な役割で、目先は近くなります。対してPOはバックログに責任を持つことで目先を遠くに向けて、次のスプリント、1ヶ月間の計画、3ヶ月先の状態、プロダクトゴールのことを考えます。

いままで開発チームが開発もバックログも担うことでコンテキストスイッチが発生したり、優先順位に迷いが生じていたことに気が付きました。

POがバックログに専念することで開発チームも開発に専念でき、その上で先のことをいっしょに考える時間を取るなどメリハリがつくようになり、明らかに円滑に回りだすようになってきました。

それまでに整った体制での開発経験があればもっと早くに気づけたのかもしれませんが、役割を変えてみて初めて見えてきたりわかることがあったのが一番の発見かもしれません。

アジャイルコーチからは元々開発チームで目線も立ち場も近いからチームと話しやすいのもいい材料だよね、と言ってもらいましたがそこは自分ではあまり気づいてなかった点でした。

 

 

私はこれまで開発を中心に据えていましたし社歴が短くビジネス理解が浅いので、現職ではビジネス面での判断はまだできないことが多いので、今までPOをしてくれていた人に引き続きその面でサポートをしてもらっています。

リプレース案件でなければPOという役割になることもなかったと思いますが、とてもよい機会を得られたと思いますし、プロダクトオーナーという役割を楽しんでやっています。